ほとんどの日本人が「日本人は優秀な民族だ」と思っているのではないかと思います。最近は少し自信が無くなって来ましたが、私もまだそう自負しています。
しかし色々な見方ができると思います。
10数年前 大新聞の記事の中で「日本の警察官が、検挙率などから世界で最も優秀である。」との論調がありました。少し首を傾げました。これも最近少し自信が無くなって来ましたが、確かに世界的に見れば職務に忠実だし、汚職に手を染める率は低く真面目だと思います。
でも犯罪発生率が低く、検挙率が高いのは日本国自体がしっかりしているからであり、個々の警察官の能力はニューヨークのスラム街の警官の方が、もしかしたらレベルが高いかも知れません。場数が違うでしょう。
何でもそうですが、必ずしも良い環境が優秀なヒトを育てるとは言えません。
日本のコンビニでは全ての商品が価格表示されているので、従業員がだれであろうが、レジが打てますし、フランチャイズチェーンとして拡大できます。
東南アジア等の市場なんかに行くと、値札なんか無く毎回店主と客の値段交渉になります。これだと従業員に簡単にまかせる訳にも行かず、フランチャイズ拡大などできるはずはありません。
日本人は毎回の価格交渉なんぞに時間とエネルギーを取られたくありません。
しかしこのために日本人の個々人はインドやインドネシアや中国の人々のような交渉力は身に付いてはいませんので、海外旅行ではいつもボラれますし、すぐおなか壊します。
日本人は組織戦をすべきで、個人戦をしてはいけないのです。団結が大事です。
団体球技で言えば、マンツーマンよりゾーンディフェンスが得意なのでしょう。
話は変わりますが、
「恐怖遺伝子」と言う言葉があります。詳しい内容は飛ばします。
結論から言えば、日本人は、個々人は世界で一番臆病な人種らしいです。
たしかに日本人は、綱渡りや高層ビルからのスカイダイブや崖をオートバイで飛び越えたりする遊びを作り出す人は少ないですし、大航海時代の新大陸発見など、無謀とも言えるチャレンジはして来ませんでした。
でも先の大戦以前や最近の大災害などでは、見事な程の勇気を示して来ました。
これには一定の条件があります。
1 後が無い、と言うほど切羽詰っている。
2 恥の文化がある。
3 自分のためでなく、家族、コミュニティ、国のためである。
このことが揃えば物凄い勇気が出るようです。
私事ですが、
私は中途半端ながら、武道をして来ました。動機は自分が臆病だったからです。そしてそれは修行によって克服できる、と若い頃は思っていました。しかしそれは不可能だったし、もうそのことは考えないようにして来ました。
でも最近は勇気があるのか、無防備な方が多いです。私は毎日仕事を終えた後、夜11~12時頃暗い道を歩いて帰りますが、その時間帯なのに、若い女の子たちがスマホを見ながら歩いています。スマホ見ながら無灯火の自転車に乗っている子もいます。
少林寺拳法で初心者に最初に教える大切なことの一つに「八方目」というのがあります。
「武道」は「スポーツ」ではありません。相手は1人であることの方が少ないし、どこから相手の仲間が来るか分かりません。視点は相手に合わせず、視線は動かさず、全体をぼんやりと見ます。
とにかく「居付く」ことを嫌います。空間的にも、時間的にも、肉体的にも、精神的にも。
一点を凝視すれば、視野狭窄になるし、他の五感は鈍ります。注意力は散漫になります。
話は飛びます。
いつの世でも命を狙われるのは恐ろしいことです。
京都の暗い夜道に出没していた勤皇の志士たちも、使命感に突き動かされていたとはいえ、さぞ恐ろしかったことでしょう。
しかし一番人気のある坂本龍馬の「暗殺の真相」は今も解りません。
後年になって自分が手を下したという人も出て来ましたし、状況から一緒にいた親友にも可能性があります。
でも普通に考えて、誰が一番龍馬が邪魔だったか?龍馬がいなくなることで誰が一番得をするのか?で行くと、やはりグラバーでしょうか?その後ろにいるイギリス、西欧列強も・・
龍馬はグラバーの世話になり、世界のことなど色々教わりました。しかしグラバーは武器商人です。戦争が起こらないと商売になりません。龍馬はグラバーを通じて国際政治、西欧列強の恐ろしさ、イギリスの植民地政策、アヘン戦争でのイギリスのやり口を知ります。
龍馬は戦っていた薩長に同盟を結ばせます。西郷隆盛と勝海舟を引き合わせ江戸城の無血開城を実現します。グラバーは武器を売る機会を失いました。そしてイギリスが内乱で壊れた日本を植民地にすることも・・
イギリスは今では植民地時代の勢いはありませんが、国際政治では暗然とした力があります。イギリスの諜報機関MI-6は西側のそれとしてはアメリカのCIA,イスラエルのモサドと並びとても優秀です。ということはとてもえげつないということです。
「007」の原作者のイアン・フレミングはMI-6の職員でした。さわやかに活躍するジェームス・ボンドは見事な程の国家宣伝をしています。
そろそろ暮れが近付いて来ました。選挙も近いです。龍馬になれない(なれなかった)私ら日本のオジサンたちは「赤ちょうちん」で「龍馬」に変身します。
そしてそのテーブルには「麒麟」のラベルのビールが置かれています。
「麒麟」は中国神話の伝説上の動物ですが、頭は「龍」、体は「馬」です。
武器売買が立ち行かなくなったグラバーは、その後海援隊で龍馬の部下だった岩崎弥太郎が設立した三菱財閥の相談役として活躍します。手掛けた多くの仕事の一つはビール会社でした。グラバーはラベルを「麒麟」に決めました。その真意は、龍馬への贖罪の気持ちか、偉人への尊敬か、友情か、あるいはその全てか、は既に歴史の闇の中に溶け込んでいます。
一昨年の暮れ、某国営放送の大河ドラマを終えた「龍馬」は大晦日の○白歌合戦で、知ってか知らずか「グラバー邸」でさわやかに歌っていました。
昨日テレビのビールコマーシャルで「龍馬」を見かけました。
○リンラガービ-ルかと思いきや、何とちゃっかり○サヒスーパードライ飲んでました。
グラバーへの仕返しですか???