レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説「プレイバック」の中で、主人公の探偵フィリップ・マーロウは、
「強くなければ生きてはいけない。優しくなければ生きる資格はない。」とつぶやく。
少林寺拳法は6つの特徴で説明されることが多いが、一番目に語られる特徴は「力愛不ニ」である。
開祖 宗道臣は「愛無き力は暴力であろ。力無き愛は無力である。」と説いた。
一般的に日本人は優しい。相手の気持ちを先回りして察する特性がある。「空気を読まない」と嫌われる。みんなに嫌われることをとても恐れる。「個性が大切」とか「ナンバーワンよりオンリーワン」と言いながら、ホントに個性的だと疎外される。それが一番怖い。
ホメ言葉は「カワイイ!」。自分は未成熟で力も劣り、他人に圧迫感を与えることはない。他人は優越感を抱きながら安心する。したがって男も女も「なかなかカワイイやつだ!」と思われるよう腐心する。
話は変わるが、
昭和25年頃 旺文社からあの学習参考書「傾向と対策」が発刊された。今もあるそうな・・
小生も45年程前に手に取っていた記憶がある。
「東大に入りたい!」とか「医者になりたい!」と思っても叫んでいるだけでは何の効果もない。
断固たる意志と明確な方針、他人に圧倒的に優る勉強の質と量が必要だろう。
なるほど「傾向と対策」なんだ!子供心に思った。思っただけだったが・・・
ビジネスだと「目標設定と具体策」、もともと軍事用語だが「戦略と戦術」もよく使われる。
社長が「今年は売上20%UPだ!」と言ったからといって、専務から平社員まで念仏のように同じことを唱えても全く実現しない。生産担当役員は新たなイノベーションを模索し全工場をどう稼動させるか、営業担当役員は全世界でのマーケティングをどう機能させるか、九州支店長は各県のマーケットをどうするか、平社員は得意先の優先順位付けと具体的な販売方法をどうするか?
業種や商品が変わっても考え方は基本的に同じだろう。
だから「うちの業界は特殊だから・・」と思われていても、優秀な社長は平気で異業種にヘッドハンティングされる。
又 話は飛ぶが、
「戦争反対!平和が一番!」「戦争はイヤだ!」「徴兵制反対!」 だれだってイヤです。
それが何故「戦争法案反対!」となるのか私は全く分からない。
「力無き愛」でこの国は守れない。「傾向と対策」無しにこの国は守れない。
70年間戦争をしなくて済んだのは憲法9条のおかげではなく、アメリカの核の傘の下にいたからだ。何故「カサ」の下に居れたかというと、アメリカは絶対謝らないが、原爆の贖罪感と、手強かった日本軍復活へ恐怖、大陸を塞ぐ地政学的位置などであろう。
日本は他国を侵略する意志は無い。豊かだし優しいからだ。「金持ちケンカせず」だ。
日本は美味しい。
国土は世界で61番目の広さだが、領海+排他的経済水域は6番目。
国土は狭いが、高度に発達した工業地帯、都市インフラ、優秀で勤勉で従順な国民。
広い海には豊富な水産資源と未開発の海底資源。
回りの国は、国土は広いが、砂漠化しつつあるか寒冷地。
人口は増加しつつあるが、それを賄う食糧やエネルギーには不安がある。
その国々は民主国家とは言えない上、軍事力増強に余念が無い。
そのような国が最先進国で無防備な日本を手に入れたがるのは、当たり前である。
日本人が大好きな「話し合い」が通じる相手ではない。
アメリカに以前の力は無い。タッグを組むしかない。
でありながら「集団自衛権反対!」なら「個別的自衛権」しかない。
例え話をしよう。
近所で放火が相次いだ、としよう。町内会で夜回りをすると決まった。月に1回参加で良い。
でももし参加したくなかったら参加しなくても構わないが、そうなると自宅を自分たちで24時間守らねばならない。4人家族で6時間交替となる。お父さんはこれまでみたいに仕事に行けないし、子供も学校に行く暇がなくなる。
もしお父さんがいない時に、放火犯と格闘になったら、お母さんと子供で闘うのでしょうね。
その時になって「町内会は誰も助けてくれない!」と泣き叫ぶのですか?
もし日本が「集団」でなく「個別」で自衛しようとするなら、今の5倍の国防費、国民皆兵、徴兵制、は必ず必要になる。
いくら「自分は戦争をしない!」と唱えても相手がある話である。相手は喜ぶだけ・・
そして闘う意志のないヤツ程襲い易い相手はいない。
アベさんはよくやっていると思う。もしかしたら歴代の総理大臣の中で最も功績を残すかも知れない。「戦争反対!」と叫んでいる方々は、よく「アベは自らは戦場に赴くつもりはないくせに・・」と言うが、下種の勘繰りと思う。
過去のどんな凡庸な総理大臣でも首相になったと同時に己の命は差し出して来たと思う。最近のアベさんの分刻みのようなスケジュールを見てそう思う。むしろ死に急いでないか?
訂正 いたいたそうでない人が・・・「宇宙人」と呼ばれてたけど・・・