50年前 中学に入ったころ、ウキウキしていた。何しろ今まで勉強したことがない「英語」の授業が始まるからだ。
早速著名な英語学者が書いた新書版の英語解説本を買った。
ページを開くといきなり興味深い内容が目に飛び込んで来た。
「陰毛のことをPUBLIC(パブリック)HAIR という。アメリカは日本と違い、こういうことを隠さないオープンな国だ」と。
動機はどうあれ、英語をしっかり勉強してアメリカに行こう!
と、夢は大きく膨らんだ。
全くのでたらめだと気付くまで10年かかった。
「PUBLIC(公の)」ではなく「PUBIC(ピュービック)」じゃないか!
その著者は間違いなく当時の英語教育の第一人者だった。ずーっと勘違いしていたのだろう。
話は飛ぶが、
英語は26字のアルファベットで表す。当然言葉数が足りない。
したがって同じ単語で意味が全く違うことが多い。
「RIGHT」は「右」と「正しい」、「LEFT」は「左」と「LEAVEの過去形」、「DIET」は「食事療法」と「国会」
よく見ると関係がないこともない。
「ミギは正しい」「ヒダリはもう捨て去られた考え」「国会はスリムにした方がよい」
それに比べ日本語は難しい。
社会科学系や人文科学系は「漢字」、自然科学系は「英単語」、会話は「大和言葉」を使う上に、漢字の音読み訓読み、5種の敬語と男女言葉が重なる。
日本人の頭に、もうこれ以上の学校英語を詰め込むのは、つらい。